心電図

動脈硬化で高リスク!虚血性心疾患(狭心症と心筋梗塞)

コレステロールが引き起こす「動脈硬化性疾患」はいくつかありますが、コレステロールと最も関係が深いのが、心臓の筋肉に酸素と栄養を供給している動脈が動脈硬化を起こして、血流量が低下(=虚血)する虚血性心疾患(狭心症と心筋梗塞)です。

胸を締め付けるような痛み

心臓の血管に動脈硬化を引き起こす危険因子には、コレステロール以外にも高血圧、糖尿病、喫煙、肥満などがあり、複数の危険因子が重なるほどリスクは高くなります。従来、日本人は欧米に比べて心筋梗塞を起こす人は少ないとされてきましたが、脂質異常症や糖尿病の患者の増加に比例して、増えてきています。

狭心症は、心臓の動脈(冠動脈)が狭くなり、血流が細くなる状態です。安静時は血流が低下していても、心臓はあまり働いていないのでそれほど問題はありません。しかし、作業をしたり、運動をしているときは心臓も活発に活動するため、細い血管を通る血流量では十分な酸素を供給できないため、心臓の筋肉(心筋)が酸欠状態になってしまいます。

心筋が酸欠状態に陥ると、胸の圧迫感や締め付けられるような痛み、左肩が痛む、息苦しい、首が締め付けられる感じ、冷や汗などの症状が現れます。これらの狭心症の症状は安静にして5~15分程度で治まります。症状が出てから発作を抑える薬(ニトログリセリンなど)を取り出して服用し、その効果が現れるかどうかを見る余裕があるくらいの持続時間です。

狭心症の症状は心臓が盛んに働いているときに出現することが多く、そのほか急に寒い場所に出たとき、食事の直後などに発作がおこりやすくなっています。このように安静時ではなく、動作をしているときに起きる狭心症を「労作性狭心症」といいます。一方、明け方や就寝中といった安静時に発作が起きる「安静狭心症」もあります。これは、ある種の血管の痙攣であることが多く、お酒を飲んだ翌朝に起こることもあります。

狭心症の最初の発作が起きて1か月ほどは、狭心症が悪化して心筋梗塞に移行しやすい不安定な時期です。しかし狭心症は、一定期間が過ぎると、症状が消失する性質があるため、「もう少し様子を見よう」と自己判断して、医療機関の受信が遅れる傾向にあります。

また、発作を繰り返すうちに痛みの程度が増してきたり、持続時間が長くなったり、発作委の回数が増えたときも、狭心症から心筋梗塞に移行する危険性が高まります。このような症状が現れたら、至急、循環器内科を受診するようにしましょう。

突然死の原因となります

心筋梗塞は、心臓の血管が完全に詰まってしまい、その血管から酸素と栄養の供給を受けていた心筋が壊死してしまう状態です。血流が細いものの、かろうじて保たれている狭心症と異なり、心筋梗塞は完全に血流が途絶えているので、痛みの症状も激しいうえ、不整脈や急性心不全を合併しやすく、ショック状態で死亡するケースもあります。

心筋梗塞の痛みは、安静にしても消失せず、狭心症の薬(ニトログリセリンなど)を服用しても治まりません。心筋梗塞は、発作は始まってから3時間以内に集中治療を開始できれば、詰まった血管を再開通させることができ、心筋も助けることができます。つまり、心筋梗塞は時間との戦いですので、心筋梗塞が疑われたら、一刻も早く救急車でCCU(心臓血管疾患集中治療部)のある医療機関に搬送してもらいましょう。

心筋梗塞の約半数は前触れ症状もなく、突然襲ってきます、このタイプは狭心症の前段階がなく、血管の内腔も狭心症を起こすほど狭くなっていないのが特徴です。心筋梗塞の前に狭心症の時期があれば、治療も難しくないのですあが、いきなり心筋梗塞の発作が起こるタイプはとても厄介です。

このタイプの心筋梗塞が起きる場合は、血管壁に脂肪に富んだプラークという塊が不安定な形でついています。この不安定なプラークの上を覆っている膜が突然破れると、一気に血管内に血栓ができるため血流が途絶えてしまい、心筋梗塞の発作が起きるのです。血管内のプラークは脂質異常症の人に多いので、悪玉コレステロールの数値が高い人は注意が必要です。


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